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ぶらっと遡上探索

河川沿いの散策、橋と付近の名所を写真で紹介します。偶にSpotで色々と...

Scene-62 多摩川 『道所橋~小河内ダム管理橋』


 

今回は、多摩川しだくら橋から、道所(どうどころ)橋、水根沢橋、水根橋、そして多摩川起点の小河内ダム管理橋までの紹介で、多摩川遡上編の最終回になります。前回終わりのしだらく橋から、むかし道での遡上を再開します。奥多摩町では、むかし道を楽しく歩いて貰う為に注力している様で、色々な名所の説明板が在ります。此処にも、馬の水飲み場の説明板。荷物を運ばせる馬の休憩場所で、傍には「たてば」と云う茶店も3軒在って、菓子、うどん、饅頭、煙草、お酒も売られていたそうです。道の下に見える多摩川の川面は流れが緩やかで深さも在り、薄緑状態です。少し歩くと又、説明板が在ります。荷物の運搬手段として牛も使われていて、牛馬の息災を祈る為の牛頭観音が祀られています。右側斜面に、むし歯地蔵尊。歯が痛い時に、煎った大豆をお地蔵さんに供えて一心に祈ると痛みが治まると云われた民間信仰の一つです。
 

 

色々な説明板の名所を撮るのに時間を取られたので、歩を早めます。400m程進むと道所橋と云う吊り橋が現れました。『#92道所橋』は、むかし道から対岸へ渡る吊り橋で、此の吊り橋も前回紹介した、しだくら橋と同じ様に3人以上同時に渡らぬようとの注意書きが在ります。渡って見ましたが、スパンがしだくら橋の2/3と短い45mなので揺れは少なく普通でした。
 

 

 



名称:道所橋
構造種別:無補剛吊橋(歩道橋)
河口からの距離:89km
橋の長さ:45m
竣工:1976年(S51)









むかし道に戻り200m程先のヘアピンカーブの場所に沢から流れる小滝が在りました。多摩川の川面も見えますが、水流は少ない。更に進むと多摩川を挟む渓谷の先に空間が開けて来ました。小河内ダムの下まで残り少しです。
 

 

更に400m程進むと、むかし道はダム下への道と合流するので、其方の道に行こうとしたのですが、じぇじぇじぇ!!!道が柵で封鎖され、進めないぞ。此の先は水道局施設なので部外者立入禁止なんだとさ。後100m道を曲がれば、ダム下からの絵と水根橋が撮れたのに残念。仕方ないので、諦めて411号線への道を戻り中山トンネル経由で小河内ダムへ行きます。ガッカリしている所に標高100m程の坂道を上らなければならずMAXキツイです。
 

 

長~い中山トンネル(391m)を抜けると、目の前に小河内ダムの一部である余水吐(よすいはき:余剰の水を放流する目的の水路)が見えます。漸く小河内ダムに来たなって云う景観です。因みに余水吐水門からの放流は年に数回程で、ダム水位が90%近くになると行われ、当日の水位は75%であり水門からの放流は見られませんでした。放流された水は一旦、減勢池(げんせいち:越流堤からの水の勢いを弱める施設)を経て多摩川に放流されます。
 

 

多摩川の源流は、山梨県甲州市の笠取山(標高1953m)山頂南斜面下で、一之瀬川、丹波川を経て奥多摩湖(530m)に注がれ、多摩川と呼ばれるのは奥多摩湖の湖水出口の小河内ダム余水吐水門から下流になります。と云う事で、減勢池の下からの流れが多摩川の起点になり、多摩川遡上編の終点とします。因みに源流まで行くのであれば丹波山村(600m)までバスで行き、一之瀬高原(1300m)まで8km歩き前泊、翌日に笠取山へ登山と云う残り48kmの工程になります。
 

ダム余水吐の右側にダム建設工事用鉄道(水根貨物線)の跡が在ります。此の貨物線は廃線では無く、将来の観光用路線への転用を目的に休止線として登録されていて、現在も奥多摩駅までのトンネルや線路が残っています。但し、転用の見込みは無い模様です。
 

坂道を200m上がると道が分岐しています。小河内ダムへの標識方向へ左折、200m程で小河内ダム入口に到着です。
 

余水吐水門の上に架けられている橋が水根橋ですが、其の前に水道局施設内で撮影出来なかった『#93水根沢橋』をダム堤体上から紹介します。水根沢橋はダム下流の水道局の専用道路に架かる橋で、ダムの竣工と同時期に完成しています。
 



名称:水根沢橋
構造種別:上路RCアーチ
河口からの距離:90km
橋の長さ:51.6m
竣工:1957年(S32)





『#94水根橋』は余水吐水門の上に架けられ、水門とダム堤体とを繋ぐ橋で、余剰水が放流された場合に下流の余水吐水路が水で埋まります。現在は、放流が無いので干からびた状態ですね。水根橋もダム竣工と同時期に完成しており、上流側にダムの管理橋が見えます。
 

 

 



名称:水根橋
構造種別:上路鋼桁橋
河口からの距離:90km
橋の長さ:71.7m
竣工:1957年(S32)





余水吐水門の奥多摩湖側に架かる橋が、『#95小河内ダム管理橋』で、多摩川に架かる橋として紹介する最後の橋になります。文字通り小河内ダムの管理用の橋です。此の橋もダム竣工と同時期に完成したものと思われます。
 

 

 



名称:小河内ダム管理橋
構造種別:上路鋼桁橋
河口からの距離:90km
橋の長さ:71.7m
竣工:1957年(S32)





最後に小河内ダムと奥多摩湖を紹介して終わります。小河内ダムは、1938年(S13)に起工されましたが、途中、激化する戦局の為に工事を中止。1948年(S23)から再開したダムコンクリートの打込みは、1957年(S32)まで続けられ、総量1,675,680立方米のコンクリートが使用されています。1957年(S32)11月26日、945世帯の移転のもと完成しています。小河内ダムが完成した当時は、東京の水源は主に多摩川水系に依存していましたが、現在は都の水源の約20%を担っています。

■ダム名:小河内ダム、ダム形式:重力式コンクリートダム、所在地:東京都西多摩郡奥多摩町原5、堤高:149.0m、堤頂長:353.0m、総貯水量:189,100,000立方米、有効貯水量:185,400,000立方米

 

 

ダム堤体上に白い建物が2つ見えますが、湖面からみて右側が展望塔です。開館時間:am10:00~pm4:00、休館日:年末年始、入館料:無料。中にダムに関する資料や模型が展示され、3Fからは奥多摩湖が眺望出来ます。入口で来場記念にダムカードを戴きました。ダムカードは国土交通省及び独立行政法人水資源機構が管理するダムなどで無償配布されており、全国で350箇所以上在ります。因みに東京での配布は此処小河内ダムのみ、一番配布の多い県は新潟の25箇所です。
 

 

その他の関連施設も紹介します。先ず、第2号取水施設。第2号取水施設とダム下の第一発電所とを導水管で連絡していて、夏季における奥多摩湖表層の温かい水を多摩川に放流し、冷水による川魚の育成低下を改善する為の施設で、遠景2に写っている先端のメッシュスクリーン部から取水されます。
 

人工降雨装置。此の夏、渇水対策として稼働したのがNewsで流されたので記憶に在ると思いますが、堤体の左側斜面に在りました。人工降雨装置は、水蒸気と結びつき易い性質のヨウ化銀を燃焼させて、其の煙を大気中に放出させて上空の雨雲の中で人工的に水滴をつくる仕組みです。原理的には雨雲の中に核が出来れば雨として落ちますが、地上発煙で上空6000mの雲まで送り込むのは至難の業で、其の効果は眉唾ものです。


奥多摩湖は多摩川を小河内ダムによって堰き止めて造られた人造湖で、正式名称を小河内貯水池と言い、東京都西多摩郡奥多摩町と山梨県北都留郡丹波山村、同県同郡小菅村に跨る東京都水道局管理の人造湖です。 堤体の右側には、小河内ダム建設に於いて亡くなられた尊い87名の霊を祀った建設慰霊碑が立てられています。其の先には、湖畔に沿った自然散策路として「奥多摩憩いの道」が12kmの長さで造られています。
 

本日は時間が無くなったので後日、日を改めて取材した奥多摩湖と、奥多摩湖に架かる個性的な橋を続けて紹介します。日が変わって、JR奥多摩駅に7:27分着、今まで気が付かなかったけど電車とホームとの隙間が広いのでビックリです。駅前の西東京バスの小菅行(7:33発)で奥多摩湖に7:48分に到着です。撮影しながらジグザグと徒歩で5時間程費やした距離を、たったの15分、¥340で来るとは複雑な気分です。
 

奥多摩湖バス停前に水と緑のふれあい館が在りますが、9:30からの開館なので帰りに寄る事にして、奥多摩周遊道路で湖畔沿いに進みます。本日は晴天だけど暑くも無く、快適です。因みに地元との標高差は500mなので、其れだけで3℃は気温が低くなります。小河内ダムの背景もブルーでスッキリですね。
 

約1300m進むと小河内郵便局と原駐在所が在り、入江のような場所からの奥多摩湖です。其の先400mの熱海トンネル(61m)を潜ると、奥多摩湖の一番幅の広い箇所が一望出来ます。中央に、ひょっこりひょうたん島(年配の方は御存知です)が見えます。
 

 

室沢トンネル(215m)と鶴の湯トンネル(157m)を抜けた2km先に、鶴の湯温泉源泉が在ります。小河内ダム建設により湖底に沈む事になったがダム建設時に、温泉引揚げ施設が設けられて奥多摩町の旅館、民宿で利用されています。手水石風の鉢に源泉が流れて一般の人も無償で利用出来たそうですが、貼紙が在り、7月から都合により利用不可となっていました。都合って、どんな理由なのかな?
 

此処からの景観は、対岸斜面の緑が距離に応じてグラデーションしていて、奥多摩湖の奥行きが手に取るように感じられます。湖畔の駐車スペースには、紅いエノコログサが生えています。エノコログサ(別名:猫じゃらし)の変種でムラサキエノコログサ(紫狗尾草)です。イネ科で、日当たりの良い草地や道端に生える1年草。穂が紫色になった品種で、金色になる品種も有ります。ススキも銀色の穂をそよ風に靡かせて、夏の終わりも近いね。
 

 

小さいトンネル2つと坂本トンネル(260m)を抜けた約1km先に、真っ赤で派手な色の蜂谷橋(みねだにはし)が見えます。
 

蜂谷橋は、411号線青梅街道の奥多摩周遊道路に架かる橋です。時期的には紅葉まで未だ早いけど、廻りの緑の中に真っ赤に浮かび上がり、気分は紅葉です。欄干飾りは、男性が女装して踊る民俗芸能「小河内鹿島踊り:国指定重要無形民俗文化財」が描かれています。
 

 



    名称:峰谷橋
    構造種別:下路鋼ブレースドリブアーチ
    橋の長さ:125.9m
    竣工:1957年(S32)






600m先にカラフルな麦山橋が在ります、今度オレンジ色だ。此の橋も青梅街道の奥多摩周遊道路に架かる橋です。
 

 



    名称:麦山橋
    構造種別:下路鋼ブレースドリブアーチ
    橋の長さ:67.1m
    竣工:1957年(S32)






奥多摩周遊道路を1km程進むと、411号線青梅街道から分岐して一般国道139号(奥多摩町~富士市)へ続く道が在り、其の起点に深山(みやま)橋が在ります。橋はランガー桁橋ですが、橋の両端部に跳出しの橋が繋がっており、橋の長さは其の部分を含んでいます。此処の欄干飾りには、多摩町小留浦(ことずら)の郷土芸能の三匹獅子舞が描かれています。
 

 



    名称:深山橋
    構造種別:下路鋼ランガー桁
    橋の長さ:200.2m
    竣工:1957年(S32)






深山橋から左前方に三頭橋(みとうばし)が見えます。三頭橋は奥多摩湖に流入する小菅川の河口部に架かる橋で、構造はアーチから橋床を吊るすワイヤを綾状に組んだもので、ニールセン形式アーチ橋と呼ばれている珍しい橋です。橋の名前は南に在る三頭山から付けられています。
 

 



    名称:三頭橋
    構造種別:下路鋼ニールセン・アーチ
    橋の長さ:132m
    竣工:1970年(S45)






橋の近くに白い小花をつけたセンニンソウ(仙人草)が咲いています。キンポウゲ科センニンソウ属の多年草で多数の白い花を付けている様に見えますが、4枚の花弁に見えるのは萼片で、本当の花弁ではないそうです。名前は果実には白い毛があり、此れを仙人のヒゲに見立てた事からの由来です。三頭橋と深山橋との間に位置する陣屋前から乗って、バス停奥多摩湖に戻ります。
 

バス停前の「奥多摩 水と緑のふれあい館」に寄ります。東京都水道局が運営するPR施設で、東京近代水道100周年及び小河内ダム竣工40周年の記念事業として、ダムサイトに奥多摩町と共同で1998年(H10)に開館されました。奥多摩の自然と歴史、水と自然の大切さやダムの仕組みなどが判り易く展示されています。休館日:水曜日、入館料:無料、所在:西多摩郡奥多摩町原5。ふれあい館の横にはナナカマドが実を赤くしていました。ナナカマド(七竈)はバラ科の落葉高木で、赤く染まる紅葉や果実が美しく鳥類の食用となるが、果実酒にも利用出来ます。ナナカマドと云う名前は材が硬く、燃え難く7回竈にくべても燃え残る事から付いています。
 

2階に奥多摩の郷土料理を味わえるレストランも在り、此処で冷やしたぬきそばを注文。関西風に云うと、そばに天カスを載せた奴です。隣に奥多摩の名産品販売店も在り、お土産に珍しい葡萄の種子から搾った「ぶどうのオイル」を購入です。
 

 

此処からバスで奥多摩駅まで帰ります。バスが来るまでの時間、水と緑のふれあい館前の休息場で一服休憩。暫くしてバスが来たので乗車、奥多摩駅から帰宅です。
 

>>>後書き<<<
今回で、多摩川遡上編は最終回になりました。定年後のブログ開設から約1年経ち、記事の書き方も大分慣れて来ました。閲覧カウント、拍手も段々と増えて来て、励みになります。日頃のブログ閲覧、ありがとうございます。引き続き、ご覧の程よろしく願います。
さて、次回からの遡上テーマを何にするか現在、思案中です。取り敢えず、次回分は多摩川に架かる橋等の纏めを載せる事とし、次弾の遡上テーマは、其れまでに考えておきます。

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  1. 2013/11/15(金) 03:35:30|
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