This best shot
前回紹介した妙覚寺の山門を出て、右手に上がって行くと左側に、ごく普通の墓地が目に入ります。此処からは、死角に入り見えませんが、もう少し先までいくと丘陵斜面沿いに墓地が並び、その上方を見上げると、そう、今回紹介する心霊スポット「ありがた山」と呼ばれる石仏群が遠目に見えます。
取り敢えず、墓地右横の石段を上っていく。巨人への道で登った階段と同じ位の高さなのに、かなりキツイぞ~。
そう、手作り感一杯の石段であり、段差、幅、奥行きがバラバラで歩きにくい為である。ハァ―、ハァ―。
ありがた山とは、稲城市矢野口の通称「南山」に存在する石仏群の通称であり、「ありがた山石仏群」とも呼ばれています。「日徳海」と称する宗教団体が、昭和15年から18年頃にかけて都内の駒込あたりの寺院にあった無縁仏を集めて供養したものと言われ、石仏を一つ運ぶ毎に「ありがたやありがたや」と唱えたと云われている事から「ありがた山」と呼ばれているとの事。
やっと、墓地の上まで辿り着いた。其処には結界らしき荒縄が張られ、見上げると多数の墓石と石仏とご対面である、その数、約4,000体との事、凄げ~な。
雰囲気的には、如何にも心霊スポットと呼ばれるに相応しい佇まいである。夜には、絶対に来れない場所ですね。
左手には、色鮮やかな紫の布で覆われた祠が見え、中には井戸があった。
右手にも井戸があり、お地蔵さんが祀られていた。石仏群の右横には階段が山の上へと続き、途中には「白雲山鶴林閣」の銘額がついた祠があります。屋根の上には鶴の飾り物、何なのか不明。。
石仏群の頂上には、宝篋印塔(ほうきょういんとう)と五輪塔(ごりんとう)が2基、祀られています。上から見た、石仏群の眺めの方が凄いですね。良く、これだけの石仏を運んだものだ、感心。
自然一杯の此の里山だが、南山東部土地区画整理事業なる計画により一部が削られる予定との事、残念である。普通、墓地だと寺院と檀家其々の許諾が必要だと思うが、此処は移されてきた無縁仏である。そう、お骨が埋められていない為、墓地とは認められない事から容易に整理可能らしい。
あれれ、此処にも梵字が沢山刻まれているぞ、前回で紹介した板碑と同じ梵字もあった。宝篋印塔の4面に刻まれていたものを確認してみると、正面が阿弥陀如来、左側が大日如来、後ろが馬頭観音菩薩、右側には虚空蔵菩薩を表す梵字であった。
五輪塔にも、梵字が5文字刻まれていた。内容は、下記の雑学コーナーを参照してね。
【雑学コーナー】
宝篋印塔は、墓塔、供養塔などに使われる仏塔の一種であリ、最上部の棒状の部分は相輪と呼ばれ、頂上に宝珠を乗せ、その下に請花、九輪、伏鉢などと呼ばれる部分がある。相輪の下には笠があり、この笠の四隅には隅飾と呼ばれる突起がある。笠の下の方形の部分は、塔身、その下の方形部分は基礎と呼ばれる。
五輪塔は下から四角・丸・三角・半丸・上の尖った丸を積み上げた形に造られる。四角の部分は地輪(ちりん)、円形の部分は水輪(すいりん)、三角形の部分(又は笠形、屋根形)は火輪(かりん)、半月形の部分は風輪(ふうりん)、宝珠形の部分は空輪(くうりん)と呼ばれる。其々の部位に下から「地(ア a)、水(ヴァ va)、火(ラ ra)、風(カ ha)、空(キャ kha)」の梵字による種子を刻むことが多いとの事。
石仏群の頂上から下山する方法は三択です。①今、来た階段を下りる、②右手の山道を行く③左手の山道を行く。
階段を下りる、は面白くないのでパス。左手の山道は工事中の柵ありパス、残る右手の山道を行くルートで降りる事にした。何処に出るか不明であるが、人が歩いた跡があり麓には着くはずである。携帯ナビを持っていたので、迷子に成る心配は無いが。
枯葉が舞い積もり、階段も木端を使用した簡単なもので、滑りやすいので注意しながら無事下山完了。何と、冒頭の入口の写真にある水汲み場の左後ろ側に出てきたのだ。因みに、後で確認した処、②の右手の山道を行くと、よみうりゴルフ倶楽部沿いに日本山妙法寺へ出て、京王みうりランド駅へ戻れる事が判った。但し、たっぷりと2時間も要するコースである、工事中の柵があって助かった。これも、神社仏閣を紹介している御利益かな??
<<<おまけ>>>
妙覚寺まで戻り、右手の道路を2分程上がっていくと、右手に八雲神社が見えます。主祭は素盞嗚命(すさのおのみこと)が祀られているとの事、詳細は判りません。凄く小さな神社で、鳥居形式は左右の円柱の上に、円形の笠木を渡し、貫だけが角材で出来ていて柱の外側まで突き出している鹿島鳥居だった。所在:東京都稲城市矢野口 2438
まだ、時間もあるので其のまま直進し、弁天洞窟で紹介した威光寺を横目に坂道を登っていく。途中のヘアピンカーブの処に、細い道があり妙法寺の看板があり、入って行く。直ぐに、よみうりゴルフ倶楽部が覗ける位置にあり、そこから里山の雑木林の中を300mほど進んだ山の尾根に日蓮宗系の妙法寺がある。所在:稲城市矢野口3571。
入口は、綺麗に手入れされた庭園があり、階段脇には黄色の花が咲いている。ツワブキだ。
階段を上って行くと、近代的で立派な寺院が見える。寺院入口前には狛犬ならぬ、ランオン像が鎮座しているが威厳がなく好みでは無い。隣には仏舎利塔があり、黄金の仏像を見る事が出来た。
以上で、今回の探索は終わり自宅へ戻る。
【後書き】
いや~、今回は歩いたね~。携帯に万歩計機能が付いており、確認すると15023歩、歩き過ぎた。
次回は、近代的な十二神将がいる医王院を紹介する予定です。
Author:mark60
関東地区の河川に架かる橋を
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